丸目のW210、そろそろ普通に乗れるラストチャンスでしょう。
1995年の登場時、世間の度肝をぬいたこのデザイン。
度肝をぬいたというか、当時の業界関係者は慌てふためいたに違いありません。
Eクラスと言えばメルセデスのスタンダード。それどころか、自動車のスタンダードです。威厳と歴史をまとった、いわば自動車の中の自動車。
それがこんな個性的なデザインになってしまって、どうしていいのかわからなかったというのが実情だと思います。
いま見ると、とてもバランスの取れた、伸びやかでいいデザインだと思いますが、受け入れがたかった気持ちもよくわかります。
そんなW210ですが、そろそろ健全な個体が少なくなってきました。
このE320(1999)はワンオーナーで、北関東の農家の納屋(おそらく)で保管されてきた、ディーラーメンテナンスのとても状態のいいクルマです。
エレガントなメルセデス、W210を日常使いできるラストチャンス。どうぞお楽しみください。
メルセデス・ベンツ W210について
「W210」というのは、メルセデス・ベンツのモデルを区別するためのコードネームで、「シャシーコード」などとも呼ばれます。
W210は「Eクラス」と呼ばれる「Sクラス」と「Cクラス」の間のモデルで、1995年から2002年まで販売されていました。
W210の前モデルは「W124」で、なぜ連番じゃないんだ! と思ってしまいますが、まあそういうものなので許してください。私が決めたわけではないですが。
メルセデス・ベンツがEクラスという呼称を用い始めたのはW124からで、それまではミドルクラスとか、「190E」が登場する前はコンパクトクラスとか呼ばれていました。
メルセデス・ベンツの企業理念として“最善か無か(Das Beste oder nichts)”という言葉がありますが、その理念が貫かれているのはW124までで、W210からは生産コストや利益を追求した「普通の工業製品」になってしまったと言う人もいます。
まあ確かに、W124に比べると全般的にほんのりと軽薄な感じが漂うことは否めません。
ただ、W124が、ドイツのおっさんを擬車化(擬人化の反対)したような、ある種独特な車格というかオーラを放つ名車である部分を差し引いて見てみると、W210もきちんとメルセデス・ベンツのフィロソフィーを受け継いでいると感じます。
運転席のドアを開けてシートに座りドアを閉める。
この一連の流れだけでこのクルマは十分にメルセデス・ベンツですし、キーを差し込みひねって、ATセレクタをドライブに入れてアクセルペダルに乗せた足のつま先に力を込めると、さらに完全にメルセデス・ベンツであることが伝わってきます。
ドアハンドルの精度、ドアヒンジの厚み、ドアキャッチャーの剛性。ドアを開くだけで、こうしたパーツのひとつひとつがそれぞれ、自動車としての完成度に寄与しているのだなと感じさせられます。
販売車両(このクルマ)について
W210には年代によって違いますが、直列4気筒2300ccエンジンを搭載の「E230」、直列6気筒3200ccの「E320」、V型8気筒4300ccの「E400」などバリエーションがあり、このクルマは、V型6気筒3200ccの「E320」で、マイナーチェンジ前の前期型にあたります。
マイナーチェンジが1999(平成11)年10月で、初年度登録が1999(平成11)年2月ですので、前期型の最終版といったところです。
初年度登録から23年を過ぎていますが、大変調子がよくてよろこんでいます。
クルマの調子がいいとうれしいです。
いや、販売する商品としてコストがかからないからというだけではなく、やはり純粋にクルマは調子がいいとうれしくなるものです。
入庫時、空調のブロアモーターの動作に不具合がありました。これくらい車齢を重ねたクルマでは定番の症状ですが、レジスターの交換で完治しました。
また、運転席側サイドミラーが曇っていました。このクルマには運転席側サイドミラーにも自動防眩の機能が装備されていますが(スゴイ!)、その仕組みが鏡面の反射率を液晶かなにかを使って電気的に変化させるようになっていて、その液晶かなにかが経年劣化で濁ってしまい、曇って見えるようになっていました(ザンネン!)。
純正の中古品と付け替えても同じ症状が起きてしまいそうなので、鏡面のみ社外部品の物と交換しました。視野などは純正品と同様で、しっかりと見えますが、本来装備されている曇り止めのヒーターは機能しません。
オーディオは純正の、カーナビゲーションや空調コントロールが操作できる一体型のものが装着されています。
なんと、カーナビ付きなんです。しかも、ちゃんと動きます。
こんなカーナビ、昔の未来みたいでちょっと興奮しています。
残念ながら地図データの更新が止まってしまっていますが、東京湾アクアラインで海の上を走る様子を鑑賞する楽しみはあります。
空調のコントロールも問題なく、画面も欠けなどなくしっかりと表示されます。
ただ、CDチェンジャーの調子が悪く、時々認識しなくなります。
入庫時にCDチェンジャーのマガジンが欠品しており、同等品を入手しましたが、動作が不安定です。
当時オプション設定だったカセットプレーヤーは装着されておらず、テレビも当然ながら地デジ非対応のため、オーディオの機能はもっぱらラジオ頼りですが、スマートフォンとBluetooth・FMトランスミッター(ごめんなさい、別売です)とをつなぐことで、音楽を聴くことができます。
ちなみに純正オーディオ、さすが高級車だけあってなかなかの音質です。全体的に音圧が太く重厚で、昔のオーディオセットで聴いているみたいです。
それ以外、現状で機械的な問題点は確認できていません。
古いクルマなので順次メンテナンスや修繕を必要とする箇所が発生します。現状で不安があるところは対応しましたが、これは機械の宿命ですのでどうかお付き合いください。
作業状況
車両データ
諸元
車名 | メルセデス・ベンツ E320 |
走行距離 | 95600km(試乗などのため増加します) |
車体番号 | WDB2100652A***717 |
初年度登録 | 1999(平成11)年2月*1 |
車検有効期間 | 2024(令和6)年2月*1 |
型式 | GF-210065*1 |
ハンドル位置 | 右 |
原動機の型式 | 112*1 |
種類 | V型6気筒SOHC*2 |
排気量 | 3199 cc*2 |
燃料の種類 | ガソリン*1(無鉛プレミアムガソリン) |
過給器 | なし |
最高出力 | 224 ps/5600 rpm*2 |
最大トルク | 32.1 kgm/3000~4800rpm*2 |
燃費 | 8.9 km/L(10モード/10・15モード燃費)*2 |
燃料タンク容量 | 80 L*2 |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 5AT |
サイズ | 長さ 480 × 幅 180 × 高さ143 cm*1 |
最小回転半径 | 5.2 m*2 |
車両重量 | 1550 kg*1 |
車両総重量 | 1825 kg*1 |
ホイールベース | 2835 mm*2 |
乗車定員 | 5人*1 |
ボディーカラー | エメラルドブラック |
装備
ヘッドライト | ハロゲン |
フォグランプ | フロント/リア |
エアコン | オートエアコン |
パワステ | ○ |
パワーウィンドウ | ○ |
集中ドアロック | ○ |
ABS | ○ |
横滑り防止装置 | - |
トラクションコントロール | ○ |
エアバッグ | ○ |
ETC | ○ |
サンルーフ | - |
本革シート | - |
パワーシート | フロント2席 |
純正エアロパーツ | - |
純正アルミホイール | ○ |
キー | リモコンドアロック/テールゲート開閉 |
オーディオ | 純正ナビゲーション付きオーディオ |
ナビゲーション | ○*1 |
バックカメラ | - |
ローダウン | - |
禁煙車 | -(過去に喫煙されていた跡があります) |
ペット同乗なし | 不明(ペット臭は感じません) |
取扱説明書 | ○ |
記録簿 | 一部欠 |
新車時保証書 | - |
スペアタイヤ | ○ |
価格と販売について
このクルマの販売価格は××円(販売終了)です。
価格はいわゆる「乗り出し価格」で、税金や諸費用を含んでいます。
追加のオプションなどがなければ、東京近県であればお支払いいただくのはこの金額のみです。
価格について、詳細は以下をご覧ください。
興味をお持ちの方は、まずはご連絡ください。現車をご確認いただく方法をご相談の上、決めさせていただきます。
お客さまに納得していただくまでご確認とご試乗いただけるようにいたします。
詳しくは以下をご覧ください。
その他、当店に関することは以下に記載いたしました。