いくらクルマが大事でも、車検を通らなければ公道を乗ることができません。
普通、きちんと整備さえしておけば相当古いクルマではない限り車検に通らないということはないのですが、今年2024(令和6)年8月からは、年式の比較的新しいクルマでも車検に通らなくなる可能性が出てきました。
それは、ヘッドライトの照度検査の変更によるものです。
ヘッドライトの照度検査基準が変更
もともと、2015(平成27)年9月から、前照灯(ヘッドライト)の検査は原則ロービームで行うことになっていましたが、その経過措置が今年の7月末で終わるというこになりました。
ちなみに国土交通省では保安基準に関するもろもろを公開しています。
クルマ好きの人はご覧になってみてください。
その中で灯火器類の「細目を定める告示」はこちらです。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/B052.pdf
おもしろいですね。
私はこれをツマミにひと晩たっぷり酒が飲めました。
ところが、再延期……
どう考えても混乱するだろうと思っていたところ、案の定というかなんというか、 国土交通省、自動車技術総合機構、軽自動車検査協会が基準変更の直前、2024年5月14日になって「対象車数が多いことや様々な事情により、地域によってまだ十分に周知が進んでいないなどの現状があります。これを考慮し、猶予期間を2年延期することとしました」と発表しました。
「だよね……」という感想しか沸いてきませんが、一応念のため東京運輸局に電話確認しました。
間違いなく関東・中部・近畿・四国・九州・沖縄では2026年7月末まで、ハイビームで車検が受けられることになったということです。
一方、北海道・東北・北陸信越・中国にお住まいのみなさまは延期なしとのことで、行政の地域ごとの統一性がハチャメチャでずいぶんな話だと思いますが、ともかくお気の毒でございます。
ロービームで通すのはけっこう大変
さて、私の愛車、ホンダ・インサイト(2007年式)ですが、もう何年もロービームで車検に通っていませんでした。
今年の5月に車検なので、とりあえず今回はハイビームで検査を受けられるのですが、ロービームで通らないと次回は廃車……ということになりかねないので、安心のためにロービーム合格を目指しました。
私のように、少し古めの年式のクルマで、ロービームの光量不足で車検が通らないというクルマはたくさんあります。
ロービーム不合格の原因 HIDバルブの劣化
ロービームで合格できない理由のひとつは、HIDランプの劣化です。
一定期間で「球切れ」となるハロゲンランプと違い、HIDは徐々に光量が減少し、しかもかなりの歳月暗いままで点灯し続けるため「ウチのクルマ、ヘッドライトが暗いよね」というまま乗っている方がとても多い印象です。
お客さまや友人知人ののクルマに乗って「ヘッドライトのバルブ変えた方がいいっすよ」と言ったり、あるいは思ったけど言わなかったりすることが頻繁にあります。
かく言う私も、自分のクルマにはメンテナンスが必要な部分以外は無頓着になりがちで、暗いライトのまま放置しておりました。
もうひとつの原因 レンズの曇り
また、レンズ表面や裏側、リフレクター(ヘッドライト内の反射装置)などが経年劣化で曇っている場合も、バルブの光を検査機器まで十分に届けきれず、不合格となってしまう場合があります。
レンズ表面は、劣化した樹脂を削って磨けば透明になるのでわりと簡単なのですが、レンズ内部やリフレクターの曇りはなかなかやっかいです。
ヘッドライトユニットを分解して(場合によってはむりやり)磨くか、新品や程度のいい中古品と交換するか……いずれにしてもお金がかかります。
場合によっては部品が手に入らず修理不可能という場合も考えられます。
磨いて、LEDにして合格しました
さて、私のインサイトですが、私が乗るようになってから7年間一度もHIDバルブを交換していません。
それ以前もたぶん交換していないので、暗くて当然です。
レンズの曇りもありますが、前回の車検時も磨いてキレイにしましたが通らなかったので、原因はバルブでしょう。
せっかくなので、LEDヘッドライトにしようと、周囲からの評判がいいHID屋の商品を選択しました。
こういったものは、価格と性能は比例することが多いので、極端に安いものは使わず、そこそこの値段のものを購入することにしています。
届いた商品もきちんと作ってある様子で、組み付けもしっかりとしていて問題なく完了しました。
車検場前のテスター屋さんでの計測でも問題なく、本番でもバッチリと合格しました。
実際の照射も、いままでとは雲泥の差で明るく見やすく、安心して夜のドライブができます。
めでたしめでたし。